前夜仕事を終え、帰宅後夕食を食べ準備して21時白馬発。
スタート予定時間は0時半だったが、23時半頃に着いたので10分程目を瞑り仮眠。
その後スズケンさん、YASUHIROさんと到着して、予定通り0時30分にスタート。

最初はスキー場の下山コースを登りセンターハウスへ。
更にスキー場の斜面をショートカットしてゲレンデトップへ。
そこからは僧ヶ岳まで宇奈月尾根を利用。

下部は藪があったが、登山道なので最近の藪地獄に比べると快適で登り易い。
暗闇の中5時間程で下界が見渡せる稜線へ。
そこからは快晴の空に月・街の灯り・後立山連峰のシルエット等、素晴らしい一日の始まりを予感させる光景が広がっていた。
そして7時過ぎに太陽が上がると、青い空を背景に真っ白な雪山が目の前に浮かび上がりテンションもMAX。

僧ヶ岳の手前では蔵王に行かなくても立派なモンスター(樹氷)を見る事が出来たし、僧ヶ岳自体も純白で最高に綺麗だった。
そして僧ヶ岳へは約7時間で到着。
僧ヶ岳だけでも充分に満足なのだが、今回はここからが本番でようやく登山口に着いたといった感じ。

スタート前にYASUHIROさんから、「今日は厳しいぞ、特に僧ヶ岳から駒ヶ岳の往復区間は生存確率は70%ぐらい」とビビらされていた。
そして山頂から駒ヶ岳方面を見た時は、巨大雪庇&強風の通り道なのでカチカチを想像させるような稜線がくっきり見えたので脳内では楽しみ60%、ビビり40%ぐらいの割合だった。
でも厳しいかは実際に現場に行ってみないと分からないので、とりあえず皆に付いて行く。
(先頭で滑れるような技術・判断力は持っていない)

僧ヶ岳から駒ヶ岳の鞍部まではシールを剥がして滑降モードで滑る。
雪面はパウダー・クラスト・エビの尻尾でゴツゴツ等さまざまな雪質だったが特に問題無し。
(でもこんな場所を先頭で飛び込むYASUHIROさんは本当に凄いと思う)

超巨大雪庇の大迫力に圧倒されながら鞍部へ。
ここからはシールを装着して北駒ヶ岳経由で越中駒ヶ岳へ。
肝心の雪質は新雪も乗って想像していたよりも柔らかくて好条件。

その後北駒ヶ岳を越えて越中駒ヶ岳への最後の登りが目に飛び込んでくると愕然とした。
斜度が40度以上あるような斜面が広がっていてあそこをYASUHIROはどうやって登るんだろうと興味津々。
そして現場に着くとYASUHIROさんは弱点を見つけたみたいで、なんと板のままハイクアップ。
YASUHIROさんが板のまま進むなら、自分も行けると思いトレースを付いて行く。
しかし、ジグを切りながら登って3ターン目の途中で板を置く足場がポロポロと崩れ出し、進行も後退も厳しくなり停滞してしまう。
そして30秒程停滞していると遂に踏ん張りが効かなくなり雪と共に滑落。

滑落中は不思議と恐怖心は無く、スローモーションの様にゆっくりと時間が流れていてズルズルと落ちていった。
ウィペット(ピックストック)で滑落停止をしようにも柔らかい雪でそれが出来なくて結局50m程滑落して停止。
停止後は幸いにも板は外れなかったので、体制を整えて再びハイクアップ開始。
(この時点で壺足で登るつもりだったが、斜度が幾分緩くなっていたので板のままハイクアップ)

数分で再び滑落地点付近に戻れたので、その時点で板をザックに取付けてスズケンさんのトレースを追って壺足で登る。
(三番手だったスズケンさんは二番手の僕の滑落を見ていて、その時点で壺足にアイゼンを装着して直登していた)

ようやく急斜面を登りきった時点で板を履き、山頂に続く緩斜面を二人を追うようにシール歩行。
この時点で山頂にはYASUHIROさんの姿と、間もなく山頂の地点を歩くスズケンさんを確認。
しかし、滑落等でモタモタしていた影響であっという間に雲が発生して青かった空が一気に白くなってしまい展望は無くなっていた。

そしてYASUHIROさんから遅れる事(多分)20分程でようや越中駒ヶ岳の山頂に到達。
残念ながら展望は無かったので、待たせた分急いで滑降準備。
僅か数分の滞在で記念写真だけ撮って滑降開始。
苦労した斜面も板を履けば全く問題なく一気に下る。

パウダー・クラスト台地を一気に鞍部まで滑り、そこからシールを装着して巨大雪庇の横を通過しながら登り、僧ヶ岳を巻き終えた場所でシールを剥がして、後は宇奈月温泉までノンストップ。
7時間掛けて登った尾根も素晴らし滑降斜面で、スキーで滑れば約1時間であっという間だった。
その1時間の中でも快適斜面・パウダー・ツリーラン・スキー場等、目まぐるしく変わる状況で最高に楽しかった。

そして開始から約12時間で見事無事に厳冬期越中駒ヶ岳の往復日帰り山スキーは完遂。
僧ヶ岳だけでも満足出来る山行だが、今回は同時に更に奥の越中駒ヶ岳も登頂出来て大満足。
天候も往路は快晴で素晴らしい写真が沢山撮れたし最高だった。
終わってみれば今シーズン一番の完全燃焼山行で素晴らしい体験となった。

同行していただいたYASUHIROさん、スズケンさん、本日は本当にありがとうございました。
また完全燃焼山行よろしくおねがいします(^O^)/

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