この日は爆弾低気圧(948hp)が発生。
天気図の等圧線がもの凄い事になっており、大荒れ予報だったので中止も有り得るのかな?と思ったが、
「中止はない」と連絡が来たので参加を決意。
仕事後準備をして23時頃白馬発。
途中で仮眠をしたりして平湯温泉スキー場には3時半に到着。
最終準備をして3時53分に出発。
二人は先(5分前)にスタートしていたので暗闇の中後を追う。
追いついてからはルートファインディングを学習しながら付いていく。
偶に先頭になるが、細かい部分のコースが頭に入っていなかった為、
現在地をGPSで確認した所で上手く進む事が出来ず、YASUHIROさんから指示を受ける。
天候は雪こそ降っていたが、風も穏やかでそれほど荒れていなくて良い感じ。
登る斜面の向き、樹林帯、を考えてこの山をチョイスしたYASUHIROさんは流石だと思った。
深い所では腿ラッセルの場所もあったが三人で交代しながら約6時間で大崩山に到着。
山頂は遮るものがなかったので、少し下部の樹木の陰で雪と風を遮りながら滑走準備。
このような状況での滑走準備はあまり経験した事がなかったので手こずってしまい、シールの粘着面に雪がついてしまった。
そしていよいよ滑走開始。
ホワイトアウトではないが、視界不良だったのでYASUHIROさんが先頭で、自分は二番手、最後に名人さんの順番で滑る。
板にはホットワックスを塗っていたので滑る滑る。
最高の雪質だった。
標高2040m付近で名人さんが先頭になると、少しの事で大きくルートを外れてしまう。
最初はトラバースで戻ろうとしていたが、なかなか戻れず、最終的にシールを貼って戻る事になった。
しかしふかふかの場所、更に風雪の中でのこの作業は難儀した。
そしてトラブル発生。
雪の影響でシールの粘着性があまり無く、板に貼りつかなかった。
でもトップとテールを固定してあったので「少しくらいなら進めるだろう」と思い、進む。
しかし急な登りでまさかのシール外れ。
シールが無い板は無抵抗のまま後退して2mほど滑落。
二人は先に進んでいたので大声を出したが届かず。
なんとか外れたシールを回収して、足場を固めてシールの雪を落とす作業をしていたが、外したグローブが風に煽られて5m滑落。
「あ〜、こうやって遭難していくんだな〜」なんて頭の中に思い浮かんだが、
この状況を脱する事が出来るのは自分だけなので、とにかく行動するのみ。
試行錯誤しながら、なんとか状況が改善した頃、20m前方まで名人さんが戻って来てくれて声を掛けてくれた。
この時の安心感は半端なかった。
その後、二人と合流して少し滑った後、今回のメインの沢筋にドロップイン。
この斜面は最高だった。
いままで何回も山スキーをしてきたが、間違いなく自分史上最高のパウダーだったし、底なしのパウダースノーで浮きまくりだった。
楽しい時間はあっという間に終わって、平坦区間に出て往路と合流。
登りで作ったトレースは完全に消えていたので、太腿の筋肉を使いながらラッセルラッセル。
そして20分ほどラッセルして、平湯キャンプ場を経て、国道に出た後にスタートした駐車場に戻ってくる事が出来た。
最後はひらゆの森(500円・この大雪の為ほぼ貸切状態)でさっぱりしてから帰路についた。
今回の山スキーはいろいろな経験が出来た山行だった。
この状況だからこそ経験出来た事象が沢山有って、本当に勉強になった
この天候で山に入るなんて無謀と言われるかもしれないが、YASUHIROさんの山の選択や経験が活きてるし、
名人さんもいろいろ教えてくれて、とても有意義な時間となった。
YASUHIROさん、名人さん、本当にありがとうございました。