高気圧がど真ん中で快晴予報の土曜日。
雪不足の影響で、下部は苦手な登山道の滑降になる事は判っていたが、開山1300年を迎えた2017年の白山へ行くしかなかった。
丁度前日にノザ君に声を掛けたら、みさごさんと行く予定だったらしく二人に同行させてもらった。
二人は元々2時スタートの予定だったらしいが、折角の快晴なのでエコーラインからの朝焼け白山を見たかったので自分は0時発で決行。
二人もその時間に合わせてくれて白峰ゲート0時発となった。
23時40分頃、スタート地点の白峰ゲートに到着すると二人以外にもう二名が居て挨拶だけ済まし、それぞれ0時前後にMTBでスタート。
車道は積雪あり、凍結あり、乾いた路面ありで集中しないと転倒する恐れがあったので、喋りながらも集中してMTBを漕ぐ。
MTBは「市ノ瀬発電所まで良ければラッキー」ぐらいの感覚だったが、雪も少なくて結局市ノ瀬手前の最終スノーシェッドまで漕ぐ事が出来た。
そこからは市ノ瀬まで歩いて、小休止後シール歩行開始。
市ノ瀬〜別当出合間は日当たりの影響で雪の無い個所もあったが、脇の僅かな雪を繋げて通過。
そして別当出合には開始から約3時間程で到着。
みさごさんは体調不良らしく少々遅れ気味だったが無事に到着。
次は板を担いで恐怖の鉄骨吊り橋へ。
この吊り橋は凍結していたり積雪があると難易度が何倍にも上がるが、今回は両方とも無く、自身も恐怖心など全くなく慣れているので余裕で通過する事が出来た。
吊り橋を渡ってから再びシール歩行開始。
石畳の分岐までは雪が少なくてビックリ、多分20cm程度。
これだけ雪が少ないと石畳の急登を板のまま登れるか心配だったが、前回YASUHIROさん達と来た時は無事に登れたので、今回も板で挑戦。
結果的には少ない雪をなんとか繋げて板のまま登る事に成功。
そこからは中飯場経由甚之助小屋までひたすら登山道を進む。
前半は僕が先頭で、後半はノザ君が先頭で交代しながらラッセルして進む。
みさごさんは足の裏が痛いみたいでペースが上がらず、徐々に差が開いていったが、TJAR戦士はこんな事で諦めるはずもなく間もなく甚之助小屋へ。
甚之助小屋付近は約50cmの積雪だったが、一階のドアから入る事が出来て、小屋内で大休止。
栄養補給や水分補給、防寒対策等をしっかり行う。
しかし二人は眠たいみたいで「頼む!ちょっと寝かせて!」と懇願され5分程寝ていた。
小屋では30分程滞在して、外に出るとなんとなく薄明るくなっていた。
後続のIさん達は小屋には寄らず先に進んでいるライトが見えたが、夏の登山道を歩いていたので、我々は小屋裏から直接エコーラインを目指した。
そして南竜分岐に着く頃にはIさん達を追い越しており、エコーラインルート(一般的に積雪時に利用するルート)を進む。
エコーラインは流石に藪もほぼ埋まっていて順調に高度を上げる。
そしてエコーラインを登り上げると丁度御来光のタイミングでオレンジやピンクに染まった幻想的な色彩が出迎えてくれた。
更に前方を見ると真っ白な雪で覆われた御前峰が朝日のピンクに染まっている光景と御対面。
これこそ冬季の白山登山でのハイライトと言っても良い場面の一つである。
最高に綺麗な景色の中、三人でお互いに写真を撮り合いながらハイテンションな時間を過ごす。
その後小休止のタイミングでノザ君は一気にペースを上げて御前峰へ。
以降ノザ君とは山頂まで会う事は無かったので、みさごさんと室堂経由でゆっくり山頂を目指す。
(ノザ君は五葉坂を通らずハイマツ帯の西側から直接山頂を目指したので室堂へは寄らなかったみたい)
御前峰への登りは下部はクラスト斜面と凍結斜面のミックスでなんとか登れたが、標高が上がるにつれて凍結個所が増えていき板で登りずらくなる。
みさごさんは早々にアイゼン歩行へ。
遥か前方に見えるノザ君も標高2600m付近でアイゼン歩行を開始していたが、自分は履き変える手間を考えるとこのまま板で登った方が楽だったので、なんとか隙を見つけて板のまま登る。
そして運が良い事に”逆くの字”の上部は凍結もしていなかったので板のまま登れて山頂へ行く事が出来た。
山頂へはノザ君、自分、みさごさんの順番で到達し30分以上大休止。
ここで山頂からどうやって降りるか三者意見が分かれて、それぞれの方法で室堂まで下る事となった。
(みさごさんはアイゼン歩行、ノザ君は斜度の緩い所までアイゼンで歩いてから滑降、自分は山頂から滑降)
自分の場合、山頂から続く”逆くの字斜面”は最高だったが、下部に行くとエッジが掛からない程凍結していて結局一部壺足で歩く羽目になってしまった。
そんな事もあり室堂に着いた順番としては、みさごさん、ノザ君、自分の順番になり、壺足が一番速い結果となってしまった。
その後は弥陀ヶ原、エコーライン、甚之助小屋経由で滑降。
甚之助小屋からは砂防新道を滑降して、中飯場経由で吊り橋へ。
自分は狭い登山道を滑るのは苦手だったが、二人は僕以上に苦手みたいでかなり苦戦していた様子だった。
結局みさごさんは中飯場で、ノザ君は石畳でそれぞれ壺足になり吊り橋へ下っていた。
自分は前回YASUHIROさん達と来た時よりも条件も良く滑り易い感覚があったので板のままスピーディーに吊り橋まで到達。
その後、吊り橋を渡り、別当出合からはボブスレー状態の林道を滑って市ノ瀬のMTBデポ地点へ。
MTBに乗ってからは転倒しないように慎重に操作して白峰ゲートへ。
そして皆が大満足の中、見事無事に白峰ゲートへ到達して、厳冬期の白山山スキーは幕を閉じた。
総括として今回の白山山スキーは最高だった。
おそらく2017年では最高の天候だったと思うし、そんなタイミングで白山に登れた自分達は幸せ者だったと思う。
またこのメンバーで登る事も久し振りでとても楽しかったし、良い感じで今年の登山を開始出来て良かった。
本日同行してくれてたみさごさん、ノザ君、そしてIさん達、ありがとうございました。