昨年、YASUHIROさんとスズケンさんと三人で挑戦したが、立山川の雪不足の為敗退せざるを得なかったルートにリベンジ。
メンバーはYASUHIROさん、大魔人さん、名人さん、僕の4名。
気合と行動食を充分に持って23時には馬場島へ到着。
いつも集合場所には最後に着くのだが、今回は名人さんに次いで2番手だった。
その後大魔人さん、YASUHIROさんも到着して、日付の変わった0時にスタート。
今年は残雪が豊富で、馬場島から直ぐにシール歩行。
暗闇の中、デブリで歩き難い個所も沢山あったが、基本的には歩き易く、いろいろと談笑しながらどんどん進む。
昨年雪不足で渡る事が出来なかったポイントも今年は全く問題なく通過できて安堵。
標高が上がればデブリも無くなり、雪面も綺麗になる。
前日に降雪があったみたいで、若干の積雪や真新しいデブリ痕を横目に見ながらどんどん標高を上げ、4時半頃から薄明るくなってきて5時に室堂乗越に到着。
室堂乗越からは地獄谷や立山連峰が綺麗に見えていた。
ここからは剱御前小舎まで絶景ハイク。
そして6時頃に剱御前小舎に到着。
風が強かったが、少しでも風の弱い窪地でシールを剥がして、お楽しみの剱沢滑降開始。
ここからは掲載画像の通り、王者剱岳を正面に見ながらの絶景山スキー。
雪質も良好でお互いに写真を撮りながらどんどん滑って行く。
剱沢滑降は憧れだっただけにアドレナリンMAXの最高に楽しい時間だった。
剱御前小舎(標高2760m)から標高差1160mの滑降後、近藤岩(標高約1600m)付近でシールを貼り池ノ平小屋までの登り返し。
この頃は気温も高く、直射日光が当たってる部分の雪はグサグサで下駄も発生したりして一部で難儀したが、概ね快適だった。
平ノ池付近では初めて見る裏剱の大迫力に圧倒されながら進み、池ノ平小屋(標高2050m)へは9時前に到着。
小屋の横でシールを剥がして大窓出合(標高1525m)までグサグサでポロポロ崩れる斜面をスピーディーに滑降。
10分程滑って大窓出合に到着、その後三度目のシール歩行で大窓雪渓を登り、大窓(標高2200m)を目指す。
大窓雪渓は標高差で約700mもあり、”終盤にきてこの登り”というのは結構しんどかったが一歩一歩進むしかないので進むのみ。
しかし標高2100m付近でアクシデント発生。
前方から数個の雪玉が発生、本当に数個だったので簡単にスルーするはずだったが、どんどん大きくなり仕舞には地面ごと崩れ始めて雪崩となり身体ごと流されてしまった。
こうなったら人間なんて無力に等しくて精一杯もがくが止まらない。
結局50m程流れて止まってくれた、幸いにも膝下程度しか埋まらなくて自力で脱出。
後にYASUHIROさんにコース取りが悪いと叱責を受けたが、無事だった故良い経験が出来たかもしれない。
そんな事もあったが約90分登り続けてようやく大窓に到着。
ここまで来るともう登り返しは無く、馬場島まで滑るだけなのでだいぶ気持ちは楽だった。
滑降する中仙人谷の上部は快適、中盤はモナカ気味、終盤はデブリや石地雷と目まぐるしく変化する斜面だったが、僅かに残った体力でなんとか転倒する事なく滑る。
後半は雪も割れだして白萩川も姿を現したが、終点の馬場島まで滑る事が出来た。
最終的に約12時間の行動時間でYASUHIROさん曰く過去最速だったらしい。
総括として、今回の山スキーは今シーズンの最後を締めくくる素晴らしい山行だった。
前年に達成できなかった事も重なって二年分の達成感を味わえたし、憧れだった絶景の剱沢も滑れて大大大満足。
こんな事、単独じゃ絶対に出来ないし挑戦しようとも思わないので、誘ってくれたYASUHIROさんやメンバーの大魔人さん、名人さんには感謝しかない。
皆さん、本当にありがとうございました、これで僕の今シーズンの山スキーは終わりかな?
また来シーズンもよろしくお願いしま〜す。