佐々木さんと白馬連峰大縦走に挑戦。
ルートは扇沢の柏原新道を起点に日本百名山を三座経由して猿倉まで下るロングコース。

0時半に白馬村のローソンに待ち合わせをして二台で猿倉へ移動。
佐々木さんの車をデポして、自分の車で一路扇沢へ。

扇沢には1時45分頃到着。
無料駐車場から数分歩いて柏原新道をスタート。

暗闇の中ヘッドライトの灯りを頼りに会話しながら進む。
途中、いきなり佐々木さんが爆音で「ウォーーー!!」叫びだした。
「熊か!!」と思ったが佐々木さん曰く「シシシシー」と声が聞こえたと言う。
自分はそんな声は聞こえなかったが佐々木さんの叫び声にかなり驚いてしまった。

更にその後、普通に歩いていると木の根っこに靴が引っ掛かってしまい、その反動で胸ポケットのデジカメが落ちてしまい、茂みの中へ転がっていった。
「やばい、崖だ!!」と思って相当焦ったが、葉っぱの根元に引っ掛かって止まっていた。
これには相当安堵した。
もしこの時点でデジカメを紛失していたら、モチベーションは急低下で多分リタイアしていたかもしれない(';')

種池山荘には90分程で到着、その後は稜線を歩いて爺ヶ岳南峰、中央峰を経由して冷池山荘へ。
天候は最高の雲海で夜明け前の素晴らしい光景が広がっていた。

冷池山荘では正面の広場で御来光を待つ事にした。
広場には沢山の登山客が居て会話を交えながら御来光を迎える。
残念ながらガスが掛かったりで100%最高ではなかったけど、それでも綺麗な御来光だった。

だがしかし、雲海は最高だった。

御来光を見た後は鹿島槍ヶ岳を目指す。
そして開始から約5時間で鹿島槍ヶ岳の南峰(主峰)に到着。
山頂では記念撮影を済ませ、エネルギーも補給して二年振りの鹿島槍ヶ岳の展望を楽しむ。
生憎、上部は快晴だが東や北方面は雲海が凄過ぎて山の一部しか見る事は出来なかった、逆にそれが素敵だった。

次に五竜岳へ向かう。
途中で鹿島槍ヶ岳の北峰にも寄り道。
しかしこの辺りから佐々木さんはペースダウン。
佐々木さんは岩がゴロゴロした下りが苦手みたいだった。
ペースを合わせて歩いたり、時には先行して歩いて待ってたりしながら歩く。
鹿島槍ヶ岳と八峰キレット小屋の間には「八峰キレット」と呼ばれる難所があるのだが、片側が切れ(崖)ていて落ちたらただ事では済まないと思う箇所が何箇所もあった。
自分は通算三回目の通過で全く問題なかったが、佐々木さんも慎重に歩き、難なく通過していた。

五竜岳へは予定より40分遅れの8時40分に到着。
この時点で佐々木さんはかなりペースダウンしていたので、正直なところ「猿倉までの行程は厳しいな」、と思っていた。
更に、五竜岳から五竜山荘までの下りもペースが上がらないし、「ひょっとしたら八方尾根に下山した方がいいのかな〜」とも思っていた。
そんな事を思いながらようやく五竜山荘に到着。
ここで大休止、自分は持参したおにぎりやソーセージを食べる。
佐々木さんもパンやカップラーメンを山荘で購入して食べる。

そしてこの事で佐々木さんは見事に復活。
今までは佐々木さんのペースで歩く為に佐々木さんが先頭で歩く隊列だったけど、今度は自分が先頭を歩いて佐々木さんを引っ張る隊列で歩いた事と、復活した佐々木さんは元々は体力はあるのでどんどん付いて来て明らかなペースアップに成功。
唐松岳に付く頃には時間的遅れを取り戻すくらいのペースで歩く事が出来ていた。

唐松岳へは予定より20分遅れで到着。
山頂には沢山の登山者が居たので写真を数枚撮って直ぐに不帰ノ嶮へ。
不帰ノ嶮も難所だが、八峰キレットと一緒で慎重に進めば全く問題なく通過出来るので佐々木さんも難なく通過していた。

五竜山荘からここまではなかなかのペースだったので流石に天狗ノ大下り(標高差300mの一気登り)ではペースダウンしていたが、ここまで来ればもう完遂が見えてくる状況だった。
天狗ノ大下りを登って、天狗ノ頭を通過。
そして天狗山荘に到着。
天狗山荘では無料の水があるのでハイドレーションも含めて合計3リットルほど摂取。
佐々木さんも水を充分に補給して、山荘内では御飯を食べていた。

次にいよいよ白馬三山へ。
まずは白馬鑓ヶ岳を目指す。
白馬鑓ヶ岳に続く稜線は絶好の写真撮影スポットなので歩きながら写真を何枚も撮る。
そして見事無事に登頂。

次に杓子岳へ。
ここは山頂を経由しない巻き道があるが、巻き道なんて行く理由もなく当然山頂を経由。
白馬鑓ヶ岳からは30分程で到着。

次に主峰白馬岳へ。
杓子岳からの下りでは、2600mの鞍部から2768m峰への登り返しを登っている単独のハイカーを発見。
佐々木さんと「この単独者に追いつこう」とか言いながら歩いていたが、こちらも疲れていてなかなか追いつけなかった。
結局白馬山荘に到達しても単独者には追いつけず、ここで佐々木さんと別れてそれぞれのペースで白馬岳の山頂へ。
単独になった事で一気にペースアップして、ようやく先行していた単独者に追いつく事が出来た。
そして挨拶をしようとして顔を見ると、そのお方はなんと最近ヤマレコで発見して、数々の凄い山行で沢山刺激を貰えて一方的にコンタクトをとっていた「tyonanonee」さんだった。
一度職場に来てくれて少しだけ会話した事があったけど、忙しい時間帯で充分なお話が出来なかったので、ここぞと言わんばかりにいろいろお話をした。
その中でなんとtyonanoneeさんは0時に扇沢をスタートして僕たちと全く同じ行程を歩いて来たと言う、更にここからは栂池まで下りると言っていた。
僕たちは猿倉に下りるが、栂池へは猿倉以上に遠いので距離的に完敗の行程だったしこれには心底驚いた、流石tyonanoneeさんとも思った。

会話後一旦別れて再び白馬岳を目指す。
そして開始から約12時間で最後のピーク「白馬岳」の登頂に成功。
数分空けて佐々木さんとtyonanoneeさんも到着。

山頂は沢山の登山者が居たので山頂標で順番に並んで写真撮影。
tyonanonee
さんともスリーショットを撮る事が出来た。

山頂では10分程滞在して下山開始。
tyonanoneeさんともここで別れた。
佐々木さんとは「もう登る事は無いよ〜、後は下るだけだよ〜」と会話しながら猿倉まで下る。

大雪渓はスプーンカット状態でしかも意外とカチカチで難儀したが、無事に通過。
白馬尻に出てからは登山道と林道を歩いて猿倉に到着。
そして見事、開始から約15時間40分で扇沢から猿倉のロングコースを無事に日帰りで完遂する事が出来た。
佐々木さんとは固い握手を交わして、恒例のジャンプショットで写真を撮って全行程終了。

その後は猿倉に停めた佐々木さんの車で扇沢に向かって車を回収してそれぞれの帰路についた。

最後になりましたが、佐々木さん本日は大変お疲れ様でございました、そしてありがとうございました。
この行程を一日で歩いたなんて大したもんです。
次回はもっと長い行程を用意しておくのでまたよろしくお願いしま〜す。

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