前夜は3時間程寝てスタート地点の爺ヶ岳スキー場の駐車場へ(標高930m)。
ほぼ予定通りの2時過ぎにスタート。

緩斜面というよりほぼ平坦な矢沢を何度も堰堤を越えて遡上。
本来、川床を歩ければ良かったが雪不足で水の流れがあったので矢沢の左岸を歩くのだが、この区間がアップダウンや藪でかなり難儀。
僅か2kmを歩くのに2時間以上掛かってようやく1250mの枝尾根取付へ。

尾根に取り付くと下部こそ藪は気になったが、標高1500mを越えると疎林になり雪も豊富でサクサク登れた。
積雪も降雪直後で新雪が40cm以上積もっていて帰りの激パウを期待させるものだった。

スタートから約7時間でようやく白沢天狗尾根に合流。
合流地点でもある2063mピークは登りきらないで、先の1944m鞍部を目指して巻きたかったが北斜面は急だし南斜面は遠回りという事で2030m付近まで登って北斜面から巻きを開始。
1994m鞍部からは2205mのポコを巻いて(実際はデコボコで難儀)その先の2200m地点へ。

2200m地点からはアップダウンが想定される尾根に登りきらずにトラバース気味で進む。
因みにスタートからここまでは雪とガスでほぼ展望は無かった。
しかし偶にガスが薄くなり、目指す先に爺ヶ岳の山頂が見える事もあった。

標高2500mを越えた辺りで目の前に爺ヶ岳を確認。
見えたピークを目指してGPSも見ずにひたすら進む。

視界不良の中、最後のトラバースを行い山頂直下付近の斜面へ。
ここで名人さんから「どうせ最後の急斜面は板では登れないのでここでアイゼンを履こう」と提案がありそれに従う。
この行動はとても緊張するものだった。
慣れない斜面での板外し&アイゼン装着は板を流したらアウトの状況なので慎重に慎重を重ねて行う。

無事にアイゼンを履いからは名人さんが腰ラッセルで進み、途中から先頭を替わり進む。
最後の急斜面は風で雪が飛んでいたのでアイゼンの刃を噛ましてガシガシ進み山頂へ。
そして開始から約12時間半でようやく爺ヶ岳の山頂へ。
しかし山頂標には「爺ヶ岳南峰」の文字が・・・

ここでGPSを見るとななななんと爺ヶ岳の本峰ではなく南峰に来てしまった事を知った。
これはとても残念だった。
折角ここまで来たのに本峰(2670m)ではなく南峰(2660m)ということで記録としては不成立だし、かといって今から本峰に登り返す時間もなかったのでここが今回のピークだと思うしかなかった(';')

そうと決まれば長居は無用、ここまで12時間半も掛かっていて、時刻も15時を回ろうとしていたので日没を懸念して一気に滑降開始。
滑り自体は一部でしか楽しめなかったが、それよりも早く降りる事が重要だったので写真や滑りは気にしないで降りる事に専念。

登りのトレースを軸に滑り降りる。
往路で巻き切れなかったピークはカニ歩きで登り返す等して約2時間掛けて白沢天狗尾根から枝尾根の分岐へ。
そこからは激パウだった。

辺りは暗くなり始めていたのでヘッドランプを装着して滑降開始。
明るくて時間も余裕なら絶好の撮影スポット斜面だったが、写真もまともに撮らずに黙々と激パウを頂く。
そしてなんとか真っ暗になる前に矢沢に到着。

そこからは往路で難儀した矢沢左岸を最後まで苦労しながら進み、よ〜〜〜〜やくフィニッシュ地点(爺ヶ岳スキー場駐車場)へ。
長くて本当に大変だった爺ヶ岳南峰日帰り山行は16時間半掛けて無事に終了する事が出来た。

今回の山行は長くてしんどかったけど、名人さんといろいろ経験出来たので達成感は充分にあった。
しかし爺ヶ岳本峰に行けなかった事と時間が掛かり過ぎた事で少々無念さが残る結果となってしまった。
もう二度とやりたくないと思ったが、後日名人さんから「2月中にリベンジしよう」と熱いメッセージが来たので日程的には厳しいがやるしかない!と思っている。
ということで天候次第だが近日中にリベンジ予定。

最後になりましたが、名人さん本日はありがとうございました。
リベンジ山行は”晴天に期待”と”無駄の少ないコース”で挑戦しましょう。

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